樹脂系サイディングとは、主原料に塩化ビニルという樹脂を用いた　　　　　　　サイディングのことです。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　塩化ビニルは、利用するために可塑剤や安定剤を加えます。　　　　　　　　　　可塑剤というのは、ゴム製品などに含まれ、弾性（伸縮性）を　　　　　　　　　保つためのものです。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　安定剤というのは、化学的な反応や分解を停止させ、劣化を防ぐためのものです。

主原料である塩化ビニルは、加えられる可塑剤の量によって　　　　　　　　　　硬化したり軟化したりと変化し、水や酸、アルカリにすぐれた耐性を持ちます。　また、燃えずらく値段が安価であるため、建築材料のほかにも　　　　　　　　　水道のパイプや壁紙などに利用されています。　　　

重量は、窯業系サイディングのおよそ１/10ほどでとても軽量です。　　　　　　また、変色などもおこりずらく、メンテナンスがほとんどいりません。　　　　　しかし、日本での普及率はかなり低く、他のサイディンと比べると　　　　　　　樹脂系サイディングの使用率は、およそ１～２％ほどです。　　　　　　　　　　初期コストが窯業系サイディングよりも高額になることも多いですが、　　　　　維持費用を考えるとコストパフォーマンスの高い壁材といえます。　　　　　　　これから普及していくかもしれません。　　　　　　　　　　　　　

メンテナンスが不要なことをメンテナンスフリーといいますが、　　　　　　　　樹脂系サイディングは、正しく施工がなされれば　　　　　　　　　　　　　　　まさにメンテナンスフリーといえる壁材です。　　　　

他のサイディングは表面に塗装することによって　　　　　　　　　　　　　　　耐水性や耐火性を高めていますが、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　樹脂系サイディングの場合は、サイディング自体の耐性が非常に強いので　　　　表面に塗装をする必要がありません。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　よって、塗膜の劣化のための塗り替え作業がいりません。

サイディングを壁に貼り付ける際には、サイディングとサイディングの隙間を　　コーキング、またはシーリング材（液状のゴムのような接着剤）を充填し　　　　埋めてしまいます。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　しかし、オープンジョイント工法というやり方をすると、　　　　　　　　　　　コーキング材を使用せずにすみ、コーキング材のメンテナンスも不要になります。サイディングの劣化はコーキング材の劣化にも原因があるため、　　　　　　　　オープンジョイント工法で成功した樹脂系サイディングというのは、　　　　　　サイディング自体が破損しないかぎりメンテナンスフリーといえます。