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木材(もくざい)

木材とは、建築材料として用いるために伐採された樹木のことで、       通常は高木(こうぼく:高さ 5 m 以上の植物)の幹部分のみを指します。   樹皮を剥いだものを丸太、板状のものを板材と呼びます。

木材の構造

樹木の幹を木材としてみたとき、その構造は下図のようになっています。

木材の構造図
(中心から髄、心材、辺材、樹皮と呼ぶ)

樹木は上図のように中心の色濃い部分から外側へ向かうにつれ色が薄くなります。木材として使用される部分は主に心材、辺材の部分で、            2つを合わせて「材」と呼びます。                     幹部分を木材としてみたとき、その構造は次のように分かれます。

 ・髄(ずい)

   樹木の中心にある細く柔らかい組織(柔組織(じゅうそしき))のことで、   木の場合には、デンプンやタンパク質などの栄養素を蓄える          貯蔵組織となっていることが多いです。                   木材としては、柾目材に髄部分が含まれます。

 

 ・心材(しんざい)、または赤身(あかみ)

   樹木の中心に近い色の濃い部分のことです。                 心材と辺材の境界は明確さは種類によって違い、               一目でわかるものから心材と辺材の違いがないものもあります。        組織としては、樹木が成長するにつれ内側に蓄積されていく          古い木部であり、すでに細胞が死んだ部分になります。            木材としては、樹脂が多く水分が少ないため、辺材よりも堅く、        家具や装飾材として使われます。

 

 ・辺材(へんざい)、または白太(しらた)

   樹木の樹皮に近い色の薄い部分のことです。                 細胞が死んでいる心材に対して、辺材は細胞がまだ生きている部分です。    樹木の生命活動を担う部分のため、水分や栄養素が多く、           心材に比べ、柔らかく、害虫などの被害に遭いやすい部分です。        木材としては、十分に乾燥させて使用します。

 

 ・樹皮(じゅひ)

   樹木の中では、心材と同じく死んだ細胞の集まりであり、           古くなると剥がれていきます。                       用途としては、コルク材料や粉砕してガーデニング材料に利用されます。

針葉樹材と広葉樹材

木材として伐採される樹木は、大きく分けて針葉樹と広葉樹の2つに分かれます。それぞれの特徴は以下のとおりです。

 ・針葉樹(しんようじゅ)

   針葉樹とは、葉が針のように細長い樹木の総称ですが、            一部例外もあるため、単純に葉の形状だけでの分類はできません。       木材としては、針葉樹の木材を針葉樹材と呼びます。             針葉樹材は体積の 90 % 以上が仮導管(かどうかん)と呼ばれる        水分の通路によって占められており、軟質であることから           軟材(なんざい)ともよばれます。                     主な針葉樹材として、スギ、イチョウ、ヒノキ、アスナロ、アカマツなど    があります。

 

 ・広葉樹(こうようじゅ)

   広葉樹とは、葉が広く平らな樹木の総称です。                木材としては、広葉樹の木材を広葉樹材と呼びます。             樹木を構成する細胞の種類が多く、樹木の種類によって            さまざまな形状、性質のものがあります。                  軟材と呼ばれる針葉樹材よりも軟らかい木材もありますが、          一般的に、硬材(こうざい)と呼ばれます。                 主な広葉樹材として、ケヤキ、カエデ、ミズナラ、サクラ、キリ、ラワン    などがあります。

無垢材と木質材料

通常、丸太のまま木材を使用することはなく、角材や板材へと加工をします。  一般的に、このような加工(製材(せいざい))したものを木材と呼びます。

 

原木から必要な寸法で直接切り出した角材や板材のことを           一般的には、無垢材(むくざい)と呼びます。                天然木をそのまま材料として使用するため、空気中の水分量により、      吸湿、放湿がおこなわれ、膨張と収縮を繰り返します。            そのため、木材としては割れ、ひびなどが入りやすいですが、         室内の湿度を調整してくれます。

 

一方、木を小さなパーツや薄い板材として切り出し、             それらを接着剤などを用いて大きな寸法にしたものを木質材料と呼びます。   床や壁、天井などの面を構成する材料は木質面材料と呼ばれ、         主なものに合板(ごうはん)があります。                  また、柱や梁などの軸を構成する材料は木質軸材料と呼ばれ、         主なものに集成材、単板積層材(たんばんせきそうざい)があります。

 

上記の2つ以外には、天然木を薄くスライスし、               それを板状の材料表面に張り付けた突板(つきいた)と呼ばれるものもあります。突板の場合は、木目の美しい高級材を使用する場合が多いです。

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