刷毛とは、塗装に用いられる器具の一つで、　　　　　　　　　　　　　　　　　屋根・外壁塗装から工芸品の塗りまで多様な用途で使用されます。　　　　　　　建築物の塗装の場合、通常ローラーによって塗装をおこなった後に　　　　　　　細かい部分の塗装のために使用されます。　　　　　　　　　　　　　　　　　　ただし、全体を刷毛塗りで塗装する場合もあります。

 

刷毛は、その形状、使用する塗料の種類、そして毛の種類によって　　　　　　　多様な種類があります。

 

形状による分類では、以下のような種類があります。

　・平刷毛（ひらはけ）

　　　柄（え）から毛にかけて真っ直ぐで平らな形状をしています。　　　　　　　　　一度に広い範囲を塗ることができ、現在ローラーでおこなうことを　　　　　　　かつては平刷毛でおこなっていました。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　別名として、ベタ刷毛（べたはけ、べたばけ）とも呼ばれます。

 

　・筋交い刷毛（すじかいはけ）

　　　毛の部分に対して、柄がおよそ 45 度の角度に斜めになっている刷毛です。　　　角などの細かい部分を塗るのに適しています。

 

　・寸胴刷毛（ずんどうはけ）

　　　厚みがあり、毛の量の多い刷毛です。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　塗料の含みがよく、一度に多くの塗料を塗ることができます。　　　　　　　　　粘度の高い塗料を塗る際にも使用されます。

 

　・目地刷毛（めじはけ）

　　　目地部分を塗る際に使用する細い刷毛です。　　　　　　　　　　　　　　　　　タイルの目地などの細かい部分を塗ることに適しています。

 

 

使用塗料による刷毛の分類では以下の種類があります。

　・ニス刷毛

　　　ニスやラッカー類などの比較的粘度の低い塗料で使用します。　　　　　　　　　ヤギなどの柔らかい毛でできており、毛の長さは短めになっています。

 

　・水性塗料刷毛

　　　水性塗料を使う際に使用する刷毛です。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　主に化学繊維によってできており、柔らかい毛の刷毛です。

 

　・鉄骨用刷毛

　　　主に金属部に用いるための刷毛です。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　油性塗料でも使用できるようにできており、　　　　　　　　　　　　　　　　　ウマやブタの毛を使用した耐久性の高い刷毛です。

 

 

刷毛に使用されている毛の種類による分類は以下のものがあります。

　・馬毛

　　　柔軟性があり、耐薬品性も高い耐久性のある刷毛です。　　　　　　　　　　　　部位による名称として、尾の毛は尾毛、または天尾、　　　　　　　　　　　　　たてがみは振毛、胴体の毛は本毛、足の毛は馬蹄毛と呼ばれます。

 

　・山羊毛

　　　毛が太く弾力性、柔軟性があり、馬毛よりも硬い刷毛です。　　　　　　　　　　白山羊の毛は高級な白刷毛として使われます。　　　　　　　　　　　　　　　　部位による名称として、尾の毛はヤンオ、あごの毛はヤンス、　　　　　　　　　背中の毛は白細、つま先の毛は上爪峰と呼ばれます。

 

　・豚毛

　　　弾力性のある太く、硬い毛の刷毛です。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　毛先部分は柔らかく、油性塗料にも使用できます。

 

　・化学繊維

　　　ナイロンやポリエステルなどの化学繊維によってできた刷毛です。　　　　　　　天然素材である獣毛と違い、長さを自由に調整でき、　　　　　　　　　　　　　耐久性にも優れた刷毛です。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　主に水性塗料用の刷毛として使用されます。