延性とは塑性の一種で、ある材料を引っ張って伸ばしたときに破壊されずに　　　引き延ばされる性質で、主に金属などにこの性質がみられます。　　　　　　　　一般的に、硬度の高い物質ほど延性が小さい傾向にあり、　　　　　　　　　　　金属の中でも軟らかい金や銀、白金が高い延性を持ちます。　　　　　　　　　　また、展性とあわせて展延性とも呼ばれます。

金であれば、１ｇでおよそ 3000 m まで延ばすことが可能で、　　　　　　　　　金でできた糸は金糸（きんし）と呼ばれ、装飾などに用いられます。　　　　　　また、銀であれば 1ｇでおよそ 2200 m まで延ばすことができます。

延性を表す一つの指標として、断面縮（または、絞り）というものがあります。　それは、ある材料を引き延ばして破断したとき、　　　　　　　　　　　　　　　元の材料断面積を A 、破断時の最小断面積 A' としたときに次の式で表されます、

　　φ＝｛（A－A’）/ A｝×100 %

例えば、A＝10 、A’＝1 の場合、φ＝90 % となります。　　　　　　　　　　　 A が同じで A’ が 0.5 の場合、φ＝ 95 % となります。　　　　　　　　　　　　断面縮は、値が大きいほど延性が高いことを表します。　　　　　　　　　　　　そのため、元の材料断面積に対して破断時の最小断面積が小さいほど　　　　　　延性が高いことを示し、その材料を延性材料と呼びます。