塑性、または可塑性とは、物体に力が加わり形が変形した状態で　　　　　　　　加えられていた力がなくなったとき、変形したまま元に戻らない性質をいいます。このときの変形を永久変形、残ったひずみを永久ひずみ、または残留ひずみ　　　といいます。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　逆に元に戻る性質は弾性と呼びます。

塑性の一例として、金属の延性や展性といった性質があります。　　　　　　　　弾性がなく、形が変形させたままにしておけることは加工がしやすいことを　　　意味し、その点で金属はとても優れた性質を持っています。

金属以外では、プラスチックなどの合成樹脂が塑性を持っています。　　　　　　元々、プラスチックは可塑性物質という意味があり、　　　　　　　　　　　　　合成樹脂と同じ意味で使われていましたが、　　　　　　　　　　　　　　　　　今では合成樹脂製の製品をプラスチックと呼ぶなど、　　　　　　　　　　　　　多様な意味合いで用いられています。

塑性を持つものの中で、高温域で一定の速さで変形をさせていったときに　　　　数百パーセント以上に伸びる現象を超塑性と呼びます。　　　　　　　　　　　　ほとんどが金属材料でこの現象を確認でき、加工の難しかったチタン合金や　　　ニッケル系の合金がこの方法での加工がなされています。