フッ素樹脂とは、アルケンの中にフッ素を含んだものの重合体からなる　　　　　合成樹脂の総称です。

アルケン（慣用名オレフィン）は、分子構造が炭素と水素によってできており、    その中でも一番簡単な構造をしてるのが下図のように炭素２つと水素４つで　　　できるいるエチレン（または、エテン）と呼ばれる有機化合物です。

　　　　H　 H　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　  |                    　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　C ＝ C　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 | 　 |　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　H　 H

エチレンの水素Hは、他の元素や化合物と入れ替え可能であり、　　　　　　　　フッ素Fが含まれるものがフッ素樹脂です。

フッ素樹脂は単量体に含まれるフッ素の数が多いほど耐熱性や耐腐食性が　　　　向上する傾向にあり、特にエチレンの水素がすべてフッ素になったものを　　　　４フッ化エチレン（ポリテトラフルオロエチレン）の重合体である合成樹脂は、　４フッ化フッ素樹脂（または、フッ化炭素樹脂）と呼ばれ、　　　　　　　　　　フッ素樹脂塗料などにも用いられています。　　　　　　　　　　　　　　　　　また、フライパンなどの表面処理にも用いられ、テフロンという名称で　　　　　知られています（アメリカのデュポン社が開発し、テフロンは商品名です）。

４フッ化エチレンによる合成樹脂は、完全フッ素化樹脂とも呼ばれ、　　　　　　それ以外のフッ素樹脂は、部分フッ素化樹脂と呼ばれ、　　　　　　　　　　　　主なものに３フッ化フッ素樹脂（単量体は、ポリクロロトリフルオロエチレン）　があり、エチレンの水素４つのうち、３つがフッ素、１つが塩素であるもので、　フッ素樹脂塗料の一つとしても用いられています。