鉄は、原子番号 26 番、元素記号 Fe の金属元素です。　　　　　　　　　　　　地球上での存在率はアルミニウムに次いで多く、単体は白色で金属光沢をもち、　展性・延性に富み、工業的に最も重要な金属です。

 

不純物を含まない純鉄（じゅんてつ）はあまり利用されることはなく、　　　　　種々の元素との合金の形で利用されるのが一般的です。　　　　　　　　　　　　主な分類は以下のようになります。

　・純鉄

　　　不純物を含まない鉄で、白色で金属光沢がありますが、　　　　　　　　　　　　空気中で酸化しやすく、黒ずんだ色へと変化します。　　　　　　　　　　　　　工業的には、高級な特殊鋼の材料や触媒として利用されます。　　　　　　　　　通常、炭素の含有量が 0.03 % 以下のものを純鉄と呼びます。

 

　・鋼（こう、はがね）

　　　鉄と炭素を主成分とする合金の総称です。　　　　　　　　　　　　　　　　　　通常、炭素の含有率が 2.0 % 以下のものを鋼と呼び、　　　　　　　　　　　　または炭素鋼とも呼ばれます。

 

　・銑鉄（せんてつ）

　　　鋼よりも炭素含有量の多い鉄です。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　通常、およそ 3~4.5 % の炭素を含んでおり、その他、マンガン、ケイ素、　　　リン、硫黄などの不純物を含みます。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　主に鋼の材料として利用されます。

 

　・特殊鋼

　　　炭素鋼に炭素以外の元素を加えた合金（合金鋼）です。　　　　　　　　　　　　主に加えられる元素は、クロム、ニッケル、マンガン、コバルトなどです。　　　特殊鋼の例としては、ステンレス鋼、耐熱鋼、工具鋼などです。

 

工業において、金属材料を鉄（鉄鋼）と非鉄金属に分けるほど、　　　　　　　　鉄は重要でなくてはならない材料です。