シンナーとは、塗料などの粘度を下げて塗りやすくするために用いる　　　　　　有機溶剤の一つです。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「うすめ液」とも呼ばれ、独特の強いにおいがすることが特徴です。

「シンナー」と呼ばれる特定の物質があるわけではなく、　　　　　　　　　　　塗料用の溶剤として、トルエンや酢酸エステル類、アルコール類などの　　　　　有機溶剤を混合したものを使用します。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　そのため、混合割合や含有成分によって性質の異なるシンナーがあります。　　　混合割合は、塗料に用いられる樹脂への溶解力（どれだけ溶かせるか）や　　　　蒸発の速さ（乾燥の速さ）、混和性などによって決まります。

シンナーというと、毒性があるものというイメージがあり、　　　　　　　　　　実際に溶剤として用いられる有機化合物には毒性が認められます。　　　　　　　しかし、症状が出るのは袋の中に蒸気を充満させ吸い込むなどした場合で、　　　一般的に室外で十分な換気環境が整っていれば有害性は低くなります。　　　　　ただし、体質によってシックハウス症候群などの原因になってしまうため、　　　使用に際しては注意が必要です。

今では、においや有毒性を抑えた弱溶剤系（ターペン可溶）塗料や　　　　　　　水で希釈をする水性塗料も多く用いられています。　　　　　　　　　　　　　　しかし、美しく耐久性がある塗膜を得るためには有機溶剤は有用なため、　　　　今でも多く使用されています。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　一般的に弱溶剤系塗料に用いられるものを塗料用シンナーと呼びますが、　　　　ある塗料で特別に強い溶解力が必要な場合は専用シンナーを用います。